
化学メーカー経理担当からAI企業へ。プロダクトマネージャーとして、新機能開発に挑む
入社1年あまりでプロダクトマネージャー(PdM)に就任した大島。大学卒業後は化学メーカーで経理や購買を担当。社会人5年目の転職で選んだのはLegalForce。大企業で活躍していた彼女が、スタートアップのリーガルテック企業で働くことを決めるまでには、どんな背景があったのでしょうか。入社して感じたことや、PdMの仕事への意気込みなどについても聞きました。
大島麻裕美(おおしま・まゆみ)
製品開発(D&D)Section 製品企画(Product Planning) Unit プロダクトマネジャー(PdM)
2016年 東京大学法学部卒業後、大手化学メーカーへ入社。大阪工場 生産企画部経理チームに配属され、製品の原価計算や研究所の予算実績管理、生産計画の立案などを経験。その後東京本社へ異動し、原料購買などを担当。2020年7月、LegalForceに参画。AIにインプットするデータを作成するチームを経て、2021年9月より現職。
前職で感じた非効率さと、ものづくりへの思い
―2021年秋に異動でPdMになったばかりの大島さんですが、現在の業務を教えてください。
異動は入社時から希望していたことなんですが、縁あってこのタイミングとなりました。担当しているのは、「LegalForce」の契約書一覧機能開発。もっと使いやすくするために、ユーザーや社員にヒアリングしているところです。チームのメンバーは、エンジニアやデザイナーを含めて6人。PdMとしていろんなことを考えて、それをきちんと言語化して伝えるのが難しいです。とにかく大変なことばかりですが、希望した仕事ができているので難しさを感じつつも楽しんでます。
―念願だった開発の仕事で、まさに奮闘中ですね。前職では経理をやられていたんだとか。
はい。もともと私はものづくりに興味があって、新卒で大手化学メーカーに就職しました。提供している製品は農薬から半導体関連まで幅広く、いろいろな産業を支えているので、広く社会の役に立てると考えました。最初の配属は、大阪工場の経理チーム。経費の管理などのほか、2年目からは工場内のいくつか分かれている製造課のうち、一つの課を担当し、原価計算や生産計画の立案なども行いました。
その後は東京本社の事業部付の購買部へに異動し、ディスプレイなど光学関連製品の原料の調達や、需給管理の担当となりました。生産計画に沿って原料を調達するのですが、急に生産量が増えたり、原料の供給がストップしたりするときもあります。なんとか期日までに原料が入ってくるように取引先や製造部と調整するのは、大変でもありおもしろい点でした。
― ものづくりを支える現場で活躍されていたんですね。
様々な貴重な経験ができたと思います。一方で、大企業ならではの課題も感じていました。社内で何を決めるにも、いくつもの手順を踏んで、各所の承認を取らないといけません。また、部署では定期的にさまざまな指標を集計して報告を上げるんですが、それが会社の経営に役立っていることをあまり実感できませんでした。数値の集計や説明資料の作成などの作業的なタスクに時間を費やす中で、「作業的なタスクをAI等のテクノロジーで効率化できれば、みんな幸せになるのに…」と考えるようになったんです。
加えて、生産するのは原材料に近いものなので、エンドユーザーに実際使ってもらうのは他の会社での加工を挟むため、自分のつくった製品がどう実際のユーザーに使ってもらえているのかが感じづらい部分がありました。「自社の製品を使ってもらうことでユーザーに価値を届けたい」という思いも湧いてきました。
AIも英文契約書も…初めてづくしのLegalForceデビュー

― 転職を視野に入れたとき、どんなことを考えましたか?
前職時代に感じていた課題感から業務効率化に役立てるようなサービスを提供する会社に魅力を感じていました。そんなときに、リーガルテックの存在を知りました。2020年の初めころでしょうか。法学部の出身のため、身近に弁護士になった人が多くいたのですが、仕事が忙しく夜中まで働いているという話をよく聞いていました。AIで作業的なタスクを代替することで弁護士や法務の方の業務負担を減らし、働きやすい環境をつくれる。これから盛り上がる分野だと感じました。
― LegalForceには、Wantedlyで応募されたんですよね。
はい。経理で応募しようとしたんですが募集が見つからなくて、未経験ではありましたが、人事の枠で(笑)。それを人事担当者が見て、コンテンツ開発の職種を紹介してくれました。面接で業務内容を聞き、「自分の手で何かをつくれる!」と興味が湧いたんです。いままでやったことのない分野で不安はありましたが、LegalForceでの新しい挑戦に魅力を感じ、入社を決めました。
― 入社後に担当したのはどんな仕事でしたか?
配属先は、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」で活用している独自開発のAIにインプットするデータを作成する部署でした。
英文契約書やプログラミングにも触れたことがなかったので、最初はかなり苦戦しましたね。前職では常に下っ端である意味気楽でしたが、LegalForceではいきなり5名のチームのリーダー。何かやっていくときは自分が旗振り役になり、問題があったら対応しなければなりません。チームの雰囲気づくりや教育、業務内容の伝え方など、前の職場より求められるもの、やらなきゃいけないことが格段に増えました。もともとそういうことは不得意だったんですが、チームには年上の方も多く、温かい目で見守ってもらえたのが支えになりました。
サービスの新しい価値を生み出し、働く人を幸せに
― LegalForceで働いてみてどうですか?
みんなすごく前向きに仕事をしています。「決まっているからしかたなくやる」ということがなく、なぜ今これがあるのかというところから考え、現状と合わないことがあればそのままにせず、「変えてみよう」という雰囲気があります。
困っているときにいろんな人が助けてくれると感じています。チームのメンバーから「こうしたほうがいいよ」とアドバイスをもらえるのはもちろん、部署を問わず話を聞きに行けば、契約書レビューの実務やお客様の抱える課題など知っていることを惜しみなく教えてもらえます。気にかけてくださる方が多いのはありがたいです。
― 反対に、良くないところは?
いま会社がどんどん大きくなっていて、他の部署が遠い存在になってしまいました。たまに営業のメンバーと話すと、「あ、こういう営業トークをしているんだ」と初めて知ることも多いです。部署を超えた交流ができる場がもう少しあったらいいなと思っています。
― 今後の目標はなんですか?
PdMになったばかりで、担当になってからまだ何も新機能を出していないので、会社のビジョンでもある「契約リスクを制御する」ための新機能を世に出していきたいと思います。
法務を含めた間接部門は「ちゃんとできているのが当たり前」だったり、社内のルールや規則を守ってもらう必要があるので事業部門からの要求をすべて受け入れることができない場面もあります。私自身も大企業の経理部門で働いており、その点法務部門の方と通じる部分があります。働く人々の気持ちを考えながらサービスをつくっていきたいと思います。
― 最後に、これからどんな人と働いていきたいか教えてください。
私は、LegalForceのサービスを使ってもらうことで、業務の負担が軽減されて、幸せになってもらえたらいいなと思っています。同じように、サービスによって世界がよくなってほしいと思っている方と働きたいです。
